KANTAN!(カンタン)

三島医療圏の看護師不足は「不足」なのか

~二次医療圏データから考える北摂東部の人材課題~

 

■はじめに

看護師不足。

医療・介護業界では長年語られているテーマです。

しかし、その背景は地域によって異なります。

大阪市医療圏では「需要集中」。

豊能医療圏では「人口減少と医療需要増加のねじれ」という構造が見えてきました。

今回取り上げるのは三島医療圏です。

高槻市、茨木市、摂津市、島本町で構成される三島医療圏は、大阪府北部に位置する医療圏です。

大阪医科薬科大学病院をはじめとする高度医療機関を抱え、北摂東部の医療を支える重要な地域でもあります。

一見すると、医療資源は十分に見えます。

それでもなお、看護師不足は語られ続けています。

今回は三島医療圏のデータをもとに、その背景を整理してみます。

 

■三島医療圏とはどのような地域か

三島医療圏は、

  • 高槻市
  • 茨木市
  • 摂津市
  • 島本町

で構成される二次医療圏です。

大阪市と京都市の中間に位置し、交通利便性の高い地域として発展してきました。

また、

  • 大阪医科薬科大学病院
  • 高槻病院
  • 高槻赤十字病院
  • 北摂総合病院
  • 済生会茨木病院

などの中核病院を有しています。

急性期医療。

周産期医療。

救急医療。

これらの機能を持つ医療機関が集積していることも特徴です。

三島医療圏は、北摂東部の高度医療を担う医療圏と言えるでしょう。

 

■医療資源は本当に豊富である

三島医療圏は、大阪府内でも比較的医療資源に恵まれた地域です。

大学病院を中心とした高度医療体制。

救急医療体制。

地域の中核病院群。

こうした医療機関が連携しながら地域医療を支えています。

そのため、

「医療機関が少ない」

「病院がない」

という課題は比較的小さい地域です。

しかし、医療資源が豊富であることと、人材課題がないことは同じではありません。

むしろ今後は別の課題が見えてきます。

 

■「看護師不足」ではなく「医療需要の変化」という見方

三島医療圏を考えるうえで重要なのは、医療需要そのものが変化していることです。

これまで三島医療圏は、急性期医療を中心に発展してきました。

しかし今後は、高齢化の進行により、病院だけでなく、

回復期。

在宅医療。

訪問看護。

介護施設。

こうした領域の需要が増加していく可能性があります。

つまり、必要とされる医療人材の役割も変化していくということです。

 

■三島医療圏で起きている課題

急性期病院は、患者を治療する場所です。

しかし高齢化が進むと、退院後の生活支援も重要になります。

病院で治療を受ける。

回復期でリハビリを行う。

自宅へ戻る。

訪問看護や介護を利用する。

こうした流れが必要になります。

つまり、地域全体で患者を支える体制が求められるのです。

今後の課題は、病院単体の人材確保だけではありません。

地域全体の医療人材をどう支えるかという視点が重要になります。

 

■今後さらに需要は増える

高齢化が進むにつれて、医療需要は病院だけに集中しなくなります。

在宅医療。

訪問看護。

介護サービス。

地域包括ケア。

こうした領域の重要性はさらに高まると考えられます。

その結果、看護師に求められる働き方も多様化していきます。

病院勤務だけではなく、地域の中で活動する看護師の役割も大きくなっていくでしょう。

 

■本当に不足しているのは「人数」なのか

ここで改めて問いを立てます。

三島医療圏で不足しているのは、本当に看護師の人数なのでしょうか。

現場には、

  • 子育て中の看護師
  • ブランクのある看護師
  • 副業を希望する看護師
  • 短時間勤務を希望する看護師

など、多様な人材が存在しています。

しかし、いきなり常勤勤務は難しい。

病院復帰に不安がある。

そうした理由から、現場との接点を持てていないケースもあります。

 

■「接続不足」という仮説

私たちは、

三島医療圏の課題も、人数不足だけでは説明できない部分があると考えています。

それが、

「接続不足」

です。

働ける可能性のある人はいる。

人材を必要とする現場もある。

しかし、両者が十分につながっていない。

この状態です。

高齢化社会では、単純に人材を増やすだけでは限界があります。

だからこそ、今いる人材と現場をどう接続するか。

その視点が重要になるのではないでしょうか。

 

■考察

三島医療圏は、

大阪府内でも医療供給力の高い地域です。

しかし今後は、急性期医療だけではなく、

回復期。

在宅医療。

訪問看護。

介護。

まで含めた地域完結型医療への対応が求められます。

その中で必要になるのは、単なる人材確保ではありません。

地域全体で医療人材を活かしていく仕組みです。

看護師不足という言葉だけでは見えない課題が、三島医療圏には存在しているように見えます。

 

■地域完結型医療に必要なもの

現在、国は地域完結型医療を推進しています。

病院。

在宅。

介護。

地域で支える医療体制です。

しかし、地域完結型医療は施設だけでは成立しません。

必要なのは人です。

医師。

看護師。

介護職。

リハビリ職。

薬剤師。

医療事務。

地域完結型医療を支えるためには、

地域完結型の人材接続も必要になります。


■KANTANが考えること

三島医療圏の課題は、

単純な看護師不足だけでは説明できません。

そこには、

高齢化。

医療需要の変化。

地域包括ケアへの移行。

働き方の多様化。

接続不足。

といった複数の要素が存在しています。

私たちは、

人材を増やすことだけでなく、働ける可能性のある人と現場をどう接続するかも重要だと考えています。

看護師不足を「人数不足」だけで捉えるのではなく、「接続不足」という視点から見直してみる。

その先に、地域医療を支える新しい選択肢があるのかもしれません。

 

【出典】

本記事は株式会社日本経営「医療需給総覧(三島医療圏)」を参考に作成しています。

出典:医療需給総覧(株式会社日本経営)

 

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