看護師の休憩時間は法律でどう決まっている?取れないときの対処法も
「休憩中もナースコール対応で、ゆっくり休めないことが多い」
「気づいたら休憩を取れないまま一日が終わっていた」
そんな経験はありませんか。
休憩が取りづらいという悩みは、多くの看護師に共通するものです。
だからこそ、休憩時間の基本的なルールを知っておくことが、自分の心と体を大切にするうえで大切です。
本記事では、看護師の休憩時間に関する法律上のルールや夜勤の休憩事情、休憩が取りづらいときの対処法について解説します。
また、休憩時間の有効な過ごし方や、外出の可否についてもあわせて説明します。
\最短で3時間・月1回の案件も/
看護師の休憩時間は法律でどう定められているのか
看護師の休憩時間について、法律でどう定められているかを知っておくと、自分の働き方を見つめ直すときの目安になります。
休憩時間は、働く人の健康を守るために法律で定められた大切なルールです。
ここではまず、看護師の休憩時間に関する基本的なルールを整理して解説します。
労働基準法で義務化されている休憩時間
労働基準法第34条では、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を勤務時間の途中に与えることが定められています。
これは看護師も例外ではなく、病院やクリニックなどの医療機関で働く場合にも適用されるルールです。
たとえば日勤で8時間を超えて働く場合は、1時間以上の休憩が目安になります。
まずは、自分の勤務時間と休憩時間を照らし合わせて確認してみると、働き方を考えるきっかけになるでしょう。
休憩時間の三原則
休憩時間には「勤務の途中に与えること」「自由に利用させること」「一斉に与えること」という三つの原則があります。
休憩は勤務の途中に取るものとされており、休憩中の過ごし方は本来、働く人の自由です。
なお、医療現場は患者さんのケアを続ける必要があるため、一斉付与の原則の例外業種にあたり、スタッフが交代で休憩を取る形が一般的です。
交代制であっても、一人ひとりに規定の休憩が確保されていることが大切なポイントです。
ナースコール待機・手待ち時間は休憩にならない
休憩室にいても、ナースコールの電話番や急変対応に備えた待機をしている時間は「手待ち時間」と呼ばれ、法律上は労働時間として扱われます。
つまり、いつ呼ばれるかわからない状態で過ごす時間は、本来の意味での休憩にはあたらないとされているのです。
休憩中の呼び出しが続いているときは、「しっかり休めていないかもしれない」と自分の状態を振り返るサインといえます。
こうした知識を持っておくと、職場と休憩のあり方について話し合う際にも役立ちます。
看護師が休憩を取れない理由と実態
法律で休憩が定められていても、実際の医療現場では、休憩を取りたくても取りづらいと感じる場面が少なくありません。
これは特定の職場だけの話ではなく、医療業界全体が抱えている課題でもあります。
ここでは、看護師が休憩を取りづらくなる主な理由と、その背景にある実態について見ていきましょう。
看護師が休憩を取れない主な理由
看護師が休憩を取りづらい背景には、医療現場ならではの事情がいくつか重なっています。
決して誰かが悪いというわけではなく、構造的に休憩が確保しづらくなりやすいのです。
ここでは、代表的な4つの理由を見ていきましょう。
慢性的な人手不足で交代要員が不足している
休憩に入るためには、その間に代わって患者さんを見てくれるスタッフが必要です。
しかし、医療業界全体で人手不足が続いており、交代要員の確保が難しい職場も多いです。
一人が抜けると業務が回りにくくなる状況では、お互いに休憩を譲り合ってしまい、結果として取りづらくなることがあるのです。
業務量が多く記録・処置に追われる
看護師の業務は患者対応だけでなく、記録や処置の準備など多岐に渡ります。
この結果、せっかくの休憩時間が記録業務や処置の準備の時間にあてられてしまうこともあります。
昼食を短時間で済ませて、すぐに現場へ戻るのが習慣になっている方もいるのではないでしょうか。
ナースコール・急変対応で中断される
休憩中であっても、ナースコールが鳴れば患者さんのために対応するのが看護師の現場です。
患者さんの急変はいつ起こるかわからないため、休憩室にいても気を張り続けてしまう方が多いでしょう。
この結果、休憩時間が細切れになり、ゆっくり休んだ実感を持ちにくくなることがあります。
周りが働いているのに休みづらいという職場の空気がある
先輩や同僚が忙しく働いている中で、自分だけ休憩に入ることに気が引けるという心理も、休憩を取りづらくするひとつの要因です。
真面目で責任感の強い看護師ほど、周囲に気をつかって休憩を後回しにしてしまう傾向があります。
しかし、休憩はしっかり働くための大切な時間であるため、遠慮しすぎずに取ることも大切です。
看護師の休憩時間がニュースで取り上げられる背景
近年、看護師の休憩時間のあり方は、ニュースなどでも取り上げられ、社会的に関心が高まっています。
こうした動きを受けて、休憩を取りやすい体制づくりに取り組む医療機関も増えてきています。
休憩を取りづらいと感じるのは個人の甘えではなく、業界全体で改善が進められている途上のテーマなのだと知っておくと、少し気持ちが軽くなるのではないでしょうか。
休憩が取れないときに取るべき対応
休憩が取りづらい状態が続く場合は、まず「いつ・どのくらい休憩が取れなかったか」を自分なりにメモしておくと、状況を整理しやすくなります。
このうえで、上司や労務担当者に相談してみましょう。
現場の状況が共有されることで、休憩交代のルールづくりや人員配置の見直しなど、職場としての改善につながることもあります。
一人で抱え込まず、まずは身近な人に相談することから始めてみてください。
夜勤の休憩時間はどうなっているのか
夜勤には、日勤とは異なる休憩・仮眠の事情があります。
長時間勤務となる夜勤では、休憩や仮眠の質が体調に影響するため、しっかり休むことが安全なケアにもつながります。
ここでは、勤務形態ごとの休憩・仮眠時間の目安と、夜勤ならではの実態、休憩を確保する工夫について解説します。
2交代・3交代それぞれの休憩・仮眠時間の目安
夜勤の休憩・仮眠時間は、2交代制か3交代制かによって異なります。
それぞれの目安を表にまとめました。
勤務形態 | 勤務時間の目安 | 休憩・仮眠時間の目安 |
| 2交代制(夜勤) | 16時間程度 | 休憩+仮眠で2時間程度 |
| 3交代制(準夜勤・深夜勤) | 8時間程度 | 日勤と同様に45分〜1時間程度 |
16時間に及ぶ2交代制の夜勤では、休憩に加えて仮眠時間が設けられ、合計2時間程度の休息が一般的です。
一方、3交代制は1回あたりの勤務が8時間程度であるため、休憩は日勤と同じく45分〜1時間程度が目安となります。
自分の職場の休憩・仮眠時間を、一度この目安と照らし合わせてみるとよいでしょう。
夜勤で休憩・仮眠が取れない実態
仮眠時間が設けられていても、夜勤中はナースコールや急変対応によって仮眠が中断されることが多いのが実情です。
夜間は日勤帯より人員が少ないため、交代のタイミングを合わせるのが難しい場面もあります。
また、仮眠室の環境によっては、横になっても心身が休まりにくいと感じるケースもあるでしょう。
仮眠を十分に取れないまま長時間勤務を終えると、疲労がたまりやすくなるため、休息の工夫が大切です。
夜勤の休憩を少しでも確保する工夫
夜勤の休憩を確保するためには、受け持ち人数の調整をチームで相談したり、スタッフ間で「今から仮眠に入ります」と声をかけ合ったりする工夫が重要です。
お互いの休憩時間を意識し合うことで、誰かだけが休めないという状況を減らしやすくなります。
また、アイマスクや耳栓、ブランケットなど仮眠の質を上げる持ち物を用意し、短時間でも深く休める環境を自分でつくることもおすすめです。
関連記事:看護師が夜勤をきついと感じる理由は?やめてよかったと感じる理由も
看護師の休憩時間の過ごし方
限られた休憩時間をどう使うかによって、午後や夜間の集中力は変わります。
短い時間でも過ごし方を工夫すれば、疲労回復やリフレッシュの効果を高めることが可能です。
ここでは、看護師におすすめの休憩時間の過ごし方を3つの視点から紹介します。
食事と仮眠を優先する
休憩時間の使い方として、まず優先したいのが食事と仮眠です。
10〜15分程度の短い仮眠でも、疲労回復や集中力の維持に効果的とされています。
また、食事は急いでかき込むのではなく、できるだけゆっくり噛んで食べることで、胃腸への負担を減らせます。
体を回復させることを最優先に考えると、午後の業務の質も自然と上がっていくでしょう。
リフレッシュにあてる
食事と仮眠のほかに、心身のリフレッシュに時間をあてるのもおすすめです。
業務中は目を酷使しがちなので、休憩中はスマホから離れて目を休めたり、軽くストレッチをしたりすると疲れが和らぎます。
また、同僚との何気ない雑談が気分転換になる人もいれば、一人で静かに過ごしたい人もいるでしょう。
一人になりたいときは、休憩場所を変えるなど、自分に合ったリフレッシュ方法を見つけることが大切です。
外出する
休憩時間には「自由利用の原則」があるため、本来は休憩中に外出することも可能です。
ただし、職場によっては届け出制などのルールを設けている場合があるため、事前に就業規則を確認しておくと安心です。
近くのコンビニまで歩いたり、外の空気を吸ったりするだけでも、気持ちの切り替えに効果があります。
院内で過ごすことが多い看護師にとって、短時間の外出は貴重なリフレッシュの機会になるでしょう。
休憩時間を取りすぎと言われたときの考え方
規定どおりに休憩を取っているのに、「休憩を取りすぎでは」と言われて気になってしまう看護師もいます。
ここでは、そう言われてしまう理由について説明します。
休憩時間を取りすぎと言われる理由
「休憩を取りすぎ」と言われる背景には、忙しい時間帯に現場を離れているように見えることや、他のスタッフとのバランスへの意識があります。
実際には規定の範囲内で休憩を取っていても、職場全体が忙しいタイミングだと、そのように受け取られてしまうことがあるのです。
つまり、本人に問題があるというより、忙しさの中でお互いの状況が見えづらくなっていることが原因のケースも多いといえます。
規定の休憩は権利であることを押さえておく必要性
大前提として、決められた休憩時間の範囲内であれば、休憩の取りすぎにはあたりません。
休憩は法律で認められた働く人の権利であり、罪悪感を持つ必要はないのです。
とはいえ、職場の人間関係も大切にしたいところです。
「〇時に戻ります」と戻り時間を共有するなど、ちょっとしたコミュニケーションを心がけるだけで、お互いに気持ちよく休憩を取りやすくなります。
働く環境を見直すことで改善されることもある
相談や工夫を重ねても休憩の悩みが解消されない場合は、働く環境を見直すことで状況が変わるケースもあります。
休憩の取りやすさは、職場の人員体制や休憩交代のルールによっても変わってくるためです。
ここでは、休憩が取りやすい職場の特徴と、環境を変えるための選択肢を紹介します。
休憩が取りやすい職場の特徴
休憩が取りやすい職場には、人員配置に余裕があること、休憩交代のルールが明確に決まっていることといった共通点があります。
交代の仕組みが整っていれば、安心して休憩に入りやすくなります。
転職を考える際は、職場見学や面接の場で「休憩はどのように交代していますか」と質問し、休憩の実態を確認しておくとミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。
転職・部署異動という選択肢
今の職場でどうしても休憩の悩みが解消されない場合は、転職や部署異動を検討するのもひとつの方法です。
たとえばクリニックや健診センターなどは、業務時間が比較的規則的で、休憩が確保されやすい傾向にあります。
病棟勤務にこだわらず視野を広げることで、自分に合った無理のない働き方が見つかる可能性があります。
単発バイトの活用
いきなり転職するのは不安という方には、単発バイトで職場の雰囲気や休憩の取りやすさを実際に確かめてみる方法がおすすめです。
単発バイト「KANTAN!(カンタン)」なら、面接や登録会なしで1日から働くことができます。
月1回・3時間程度の短時間案件もあるため、今の仕事を続けながら無理なく他の職場を体験できます。
さらに給与は日払いが可能で、応募先以外には完全匿名で利用できるため、周囲に知られる心配もありません。
まとめ
看護師の休憩時間は労働基準法で定められており、心と体を守るための大切な時間です。
休憩が取りづらいと感じたら、一人で抱え込まず、まずは上司や労務担当者に相談してみましょう。
職場全体で休憩のあり方を見直すきっかけになることもあります。
また、規定内の休憩は働く人の権利であるため、「休憩を取りすぎかも」と気にしすぎる必要はありません。
なお、環境を変えることを考え始めた方は、単発バイト「KANTAN!(カンタン)」で休憩の取りやすい職場を体験してみるのもひとつの方法です。
「KANTAN!(カンタン)」は面接・登録会なしで1日から働けて、月1回・3時間程度の案件や日払いにも対応しています。
応募先以外には完全匿名で利用できるため、ぜひ気軽に活用してみてください。
看護師の休憩時間に関するよくある質問
最後に、看護師の休憩時間についてよく寄せられる質問にお答えします。
休憩時間中も給料は発生しますか?
休憩時間は労働から離れて自由に過ごせる時間であるため、原則として無給です。
ただし、ナースコール対応や電話番などの待機をしている時間は、休憩ではなく労働時間として扱われるため、賃金の支払い対象となります。
自分の休憩時間がどちらにあたるのか、一度整理してみるとよいでしょう。
休憩が取れなかった分の賃金は請求できますか?
休憩を取れずに働いた時間は、法律上は労働時間となるため、その分の賃金の支払い対象になり得ます。
気になる場合は、休憩が取れなかった日時や状況をメモしておき、まずは職場の労務担当者に相談してみましょう。
状況を共有することで、職場としての運用が見直されるきっかけになることもあります。
休憩時間に寝てもいいですか?
休憩時間には自由利用の原則があるため、仮眠を取ることは問題ありません。
むしろ短時間の仮眠は疲労回復や午後の集中力の維持に効果的であり、医療安全の観点からもおすすめできる過ごし方です。
周囲に気兼ねする必要はないため、疲れているときは積極的に体を休めましょう。
\最短で3時間・月1回の案件も/
▼執筆者情報 KANTAN!(カンタン)編集部
KANTAN!(カンタン)編集部は、看護師向けの単発・スポットワークサービス「KANTAN!(カンタン)」を運営する編集チーム。看護師をはじめとする医療従事者の働き方に関する情報を、現場の声と人材サービスで培った知見をもとに発信している。 単発・スポットワーク、ナラシワーク、ブランク後の復職、キャリアの悩み、傷病手当や休職といった制度面まで、医療現場で働く方が本当に知りたい情報を、わかりやすく丁寧にお届け。
▼監修者情報 執行 輝明(しぎょう てるあき) 株式会社ブリッジキャリア 代表取締役社長
人材業界で24年間にわたり従事し、うち14年間は医療・介護・福祉分野の人材事業を専門領域としてきた。医療従事者のキャリアと現場の双方を熟知した専門家として、複数の人材サービス事業の立ち上げから運営までを一貫して手がける。その後、医療系ベンチャー企業の執行役員を経て、2019年に株式会社ブリッジキャリアを創業し、現職に至る。 現在は、医療従事者が採用前に実際の現場で相互理解を深め、採用ミスマッチを減らす段階的な就業モデル 「ナラシワーク」の普及に向けて日々尽力している。 |